姿勢と骨格の整え方

肩こりと頭痛が取れない人の食いしばり|原因は顎にある

肩を揉んでも、ストレッチをしても取れない肩こりがあります。

そして同時に、こめかみや側頭部の頭痛がある。朝起きた時点で、すでに顎が重い。

この組み合わせのとき、疑うべき場所は1つです。食いしばりです。

この記事では、なぜ顎が肩と頭に影響するのかを構造から説明します。

顎の筋肉は、首と同じ層でつながっている

噛む筋肉の大きさ

顎を閉じる筋肉は、体の中でも面積あたりの出力が高い部類です。短時間なら、相当な力を出せます。

問題は、この筋肉が本来、1日のうち数十分しか働かない設計だという点です。

食事中以外、上下の歯は接触していないのが正常です。接触しているだけで、筋肉は働き続けています。

側頭部まで伸びている

噛む筋肉の1つは、こめかみから側頭部に広く広がっています。

ここが持続的に収縮すれば、側頭部の張りと頭痛として出ます。「頭を締め付けられる」と表現される感覚は、この経路で説明がつきます。

首の後ろとつながる

顎を強く閉じると、頭を安定させるために首の後ろも同時に働きます。

顎だけを単独で使うことはできません。食いしばりが続けば、首の後ろも休まない。そこから肩へ連鎖します。

首と肩の構造は肩こりの原因は肩ではないで扱いました。

なぜ食いしばるのか

1. 頭が前に出ているから

姿勢の問題が、顎に出ます。

頭が前に出ると、下顎は後ろに引かれる位置関係になります。この状態では顎が安定した位置を失い、噛み締めることで固定しようとします。

つまり食いしばりは、崩れた頭の位置に対する体の解決策です。

頭の位置が戻らない構造は猫背が改善しない理由で扱いました。

2. 集中しているから

強く集中しているとき、人は無意識に噛み締めます。

資料を読む、数字を詰める、画面を凝視する。経営者の1日は、この時間帯が長い。

画面との距離が近いほど起きやすくなります。目の疲れが夕方に抜けない理由で扱った配置の問題と、同じ根です。

3. 睡眠中

日中に自覚がなくても、睡眠中に起きていることがあります。

朝起きた時点で顎が重い、または歯が浮いた感じがあるなら、ここです。

ここで原則が割れます

ここまで「姿勢と使い方の問題」として書きました。

ただし、歯科の領域である場合があります。

歯科で診るべき条件

  • 歯が欠けている、すり減っている
  • 詰め物が外れることが繰り返される
  • 口を開けるときに音が鳴る、または途中で引っかかる
  • 口が指3本分開かない

顎関節そのものに変化が出ている場合、姿勢の調整では戻りません。歯科・口腔外科で確認してください。マウスピースが有効なケースもあります。

見分け方

基準は1つです。

顎そのものに症状があるか、顎の周りに症状があるか。

開閉時の音や引っかかり、歯の損傷があるなら歯科です。こり・重さ・頭痛だけなら、使い方と姿勢の範囲です。

日中にできること

1|歯を離す

最も効く対処です。

上下の歯が接触していないのが正常な状態です。唇は閉じて、歯は離す。舌は上顎に軽くつける。

これを思い出す仕組みを作ります。モニターに付箋を1枚貼る。それだけで数週間で変わります。

2|画面の距離と高さを直す

頭が前に出る配置を直さない限り、食いしばりは戻ってきます。

画面の上端が目の高さかやや下。腕を伸ばして指先が触れる距離。

3|こめかみを緩める

こめかみに指を当て、奥歯を軽く噛むと動く場所があります。そこを、噛まない状態で円を描くように押さえる。30秒。

頭痛が出てからより、出る前に入れる方が効きます。

4|首の後ろを縮めない

あごを軽く引いて、後頭部を上に伸ばす。10秒。1時間に1回。

顎と首はセットで動くので、片方だけ戻してもすぐ戻ります。

よくある質問

自分が食いしばっているか分かりません

いま、この文章を読んでいる瞬間に歯が接触していたなら、該当します。気づいた回数が多いほど、日中の接触時間は長い。

マウスピースを作れば解決しますか

歯の損傷は防げます。ただし食いしばる力そのものは減りません。原因側の対処と並行してください。

ストレスが原因ですか

要因の1つではあります。ただしストレスを減らすより、姿勢と画面の配置を直す方が、実行可能性が高い。中枢性の疲労との関係は筋肉の疲労と神経の疲労は別物であるで扱いました。

まとめ

  • 噛む筋肉はこめかみから側頭部に広がり、頭痛として出る
  • 顎を閉じると首の後ろも同時に働く。だから肩に連鎖する
  • 食いしばりは、頭が前に出た状態に対する体の解決策
  • 歯の損傷・開閉時の音・口が開かない場合は歯科
  • 日中は「歯を離す」が最も効く。上下の歯は接触しないのが正常
  • 画面の高さと距離を直さない限り戻る

揉んでも取れない肩こりは、肩で起きていません。

顎と首が、一日中働き続けているだけです。

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