まちょす深呼吸しても入らないんす!肺活量が落ちたっす!
ハムスケ吸う前に、吐き切ってます?
エグゼ筋吸えないのではありません。吐き切れていないから入らないだけです。深呼吸をしようとして、思ったほど入ってこない。胸を大きく広げても、肩が上がるだけで、息そのものは浅いところで止まっている。
この感覚は、肺の問題ではありません。吸う力の問題でもありません。
吸えないのではなく、吐き切れていないから入らない。現場で見ている限り、これがいちばん多い形です。この記事では、なぜ吐き切れなくなるのか、そして自分がどちら側なのかを見分ける方法を書きます。
息が入らない人は、息が出ていない
深呼吸と聞くと、ほとんどの人が「大きく吸う」から始めます。胸を張り、肩を上げ、空気を取り込もうとします。
ところが、肺は風船と同じで、中身が残っていれば新しくは入りません。残っている空気の量が多いほど、吸える量は減ります。
残気という考え方
息を吐き切ったつもりでも、肺の中には空気が残ります。これは誰にでもあるもので、異常ではありません。
問題は、その残る量が増えているときです。浅い呼吸を一日中続けていると、吐き切る動作そのものを使わなくなります。使わない動きは、可動域が狭くなります。
結果として、常に半分ほど膨らんだ状態の風船に、さらに空気を入れようとしている。入ってこない感覚の正体は、たいていここです。
だから、肩が上がる
下から入らないと、身体は上から入れようとします。
肩をすくめて胸郭を持ち上げれば、わずかに空間はできます。首まわりの筋肉を使えば、胸を引き上げられます。
この方法でも息は入ります。ただし、本来は呼吸に使う筋肉ではありません。首と肩が、呼吸の仕事を肩代わりしている状態です。
肩が上がったまま下りてこない、首の付け根がいつも張っている。この2つが揃っているなら、呼吸の入り口を疑う価値があります。肩そのものに原因がない場合の見分け方は、揉んでも戻る肩こりにまとめています。

吐く動作を担当しているのは、どこか
横隔膜は、戻るときに働く
呼吸の主役は横隔膜です。胸とお腹の境目にある、ドームの形をした筋肉です。
吸うときは、横隔膜が下に下がります。吐くときは、下がった横隔膜が元の位置まで戻ります。この「戻る」が十分に起きないと、空気は抜け切りません。
戻る距離を決めているのは、肋骨の位置です。肋骨が下に落ちて閉じたままだと、横隔膜は最初から低い位置にいます。下がる余地も、戻る余地も減ります。
肋骨が閉じる仕組みについては、猫背は背中ではなく肋骨の問題で詳しく書きました。
お腹側も関係している
吐き切る動作では、お腹まわりが働きます。肋骨を下に引き下げ、内側の圧で横隔膜を押し戻します。
ここで注意が要ります。力んでお腹を固めることと、吐き切ることは別の動作です。固めると、肋骨は動かなくなります。腹圧を「力むこと」と同じに扱うと、腰を痛めやすくなります。
経営者の1日に、吐き切る瞬間がない
構造の話をしてきましたが、生活側の条件も重なっています。
朝から判断が続く日は、交感神経が優位な状態が長く続きます。緊張側に寄った身体は、吸う動作が優位になります。
そのまま会議に入り、画面に向かい、移動する。1日のどこにも、長く吐き切る時間がない。
夜になっても同じです。身体は横になっていても、頭の中では会議が続いています。この状態は、意志で切り替えられるものではありません。
ただ、呼吸だけは例外です。意識的に操作できる、数少ない機能だからです。だから入り口として使います。
私が現場で感じていること
正直に書いておきます。呼吸の話は、現場ではまず信用されません。
理由ははっきりしています。やってみても、身体の反応を感じ取れる人が少ないからです。スクワットなら、翌日に脚が張ります。呼吸は、やった直後に何も起きていないように感じます。
だから私は、呼吸を渡すときだけ、解説の量を増やします。何のためにやるのか、どこが動いていれば正解なのか、間違っているときに何が起きるのか。ここを省くと、2日で消えます。
逆に、構造が分かった人は続きます。納得していない動作は、忙しい週に真っ先に消える。13年見てきて、これは種目を問いません。

自分がどちら側かを見分ける
原則を1つ置きます。吸う量が足りないのではなく、吐く量が足りていない。多くの場合、これで説明がつきます。
ただし、ひっくり返る条件が1つあります。すでに吐き切る側が働きすぎている場合です。常に腹部を固めている人、過度に姿勢を正そうとし続けている人に見られます。この場合、さらに吐こうとすると、肋骨はもっと閉じます。
見分け方はこうです。
- 椅子に浅く座り、片手を肋骨の下の横あたりに当てる
- 鼻から静かに息を吸う
- 手が横に広がるなら、横隔膜が働いている側
- 胸と肩が先に持ち上がるなら、吐き切れていない側
- 吸おうとするとお腹がへこむなら、固めすぎている側
1つ目なら、今の呼吸は機能しています。2つ目なら、吸う前に吐き切る練習から入ります。3つ目なら、先に固める癖を外すほうが先です。
どの型かで最初の一手が変わるのは、呼吸に限った話ではありません。身体は、同じ症状でも原因の場所が人によって違います。だから一般向けのやり方は、あなたに当たらないことがあります。
今日できること
手順の全体をここに書くつもりはありません。代わりに、判断の基準だけ置きます。
第一に、吸う練習から始めない。8秒かけて細く吐き切る。吸う動作は、そのあと自然に起こります。
第二に、回数を増やさない。5回で十分です。物足りないはずですが、増やした瞬間に「こなす作業」になります。3分で終わるから毎晩できます。
第三に、やる場所を固定する。「寝る前に」では曖昧すぎます。歯を磨いた直後、と決めてください。新しい習慣は、すでに毎日やっている行動の後ろにしか定着しません。
続かない理由は、意志ではなく設計です。これは運動全体に共通します。負荷を足す段階で止まる人の共通点は、ジムに通っても変わらない人の5つの共通点にまとめました。

まとめ
- 息が入らない感覚の正体は、吸う力ではなく、吐き切れていないこと
- 下から入らないと、首と肩が呼吸の仕事を肩代わりする
- 横隔膜が戻る距離は、肋骨の位置で決まる
- 経営者の1日には、長く吐き切る時間がどこにもない
- 手を肋骨の下に当てて吸う。広がるか、肩が上がるか、お腹がへこむかで型が分かれる
- 吸う練習から始めない。吐き切れば、吸う動作は自然に起こる
疲労が抜けないときに、まず神経の側を疑う理由は、経営者の疲労は中枢と末梢のどちらで起きているかに書いています。
呼吸が入り口だと分かっても、何から手をつけるかで止まる人は多くいます。情報を集めるほど動けなくなる構造を、レポートにまとめました。
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