まちょす会議の後半で言葉が出ないんすよ!集中力っすね!
ハムスケ背中、丸まってませんでした?
エグゼ筋背中ではありません。肋骨が閉じて、息が入らなくなっています。会議の後半になると、発言が減る。頭が働いていないわけではないのに、言葉が出てくるまでが遅くなる。椅子に座り直しても、しばらくすると同じ姿勢に戻っている。
この状態を「集中力の問題」として扱うと、対処は精神論になります。姿勢の問題として扱っても、たいていは「背中を伸ばす」で終わります。どちらもその場しのぎで終わるのは、見ている場所が違うからです。
猫背で起きているのは、背中が丸いことではありません。肋骨が閉じていることです。この記事では、肋骨が閉じると会議の後半に何が起きるのか、そして何を見れば自分の状態が分かるのかを書きます。
猫背は、背中の問題ではない
猫背という言葉は、背中の丸みを指しています。ただ、現場で見ていると、変えるべき場所は背中の筋肉ではありません。
背中を伸ばしても、翌日には戻る
背中を伸ばす意識は、長くて数分しか続きません。意識して保っている姿勢は、気を抜いた瞬間に戻ります。そして会議中、あなたの注意は相手の話に向いています。姿勢に注意を割ける余裕はありません。
戻る理由は意志の弱さではありません。背中が丸いのは結果であって、原因が別の場所にあるからです。原因を残したまま結果だけを直そうとすると、放した瞬間に元へ戻ります。
見るべきは、肋骨の位置
背中が丸まると、胸の前側が縮みます。胸の前側が縮むと、肋骨が下に落ちて前側が閉じます。この状態を、私は「肋骨が閉じている」と呼んでいます。
肋骨は固定された箱ではありません。呼吸のたびに、わずかに広がって戻ります。1日に2万回前後、この動きを繰り返しています。閉じたまま固まると、その2万回の1回あたりの量が減ります。

肋骨が閉じると、呼吸の量が減る
ここからが、会議の後半につながる部分です。
横隔膜が下がりきらない
呼吸をしているのは肺ですが、肺は自分では動けません。動かしているのは横隔膜です。胸とお腹の境目にある、ドームの形をした筋肉だと思ってください。
息を吸うとき、横隔膜は下に下がります。下がったぶんだけ胸の中に空間ができ、そこに空気が入ります。
肋骨が下に落ちて閉じていると、横隔膜が下がる距離が短くなります。1回で入る量が減るので、身体は回数で補おうとします。浅い呼吸を、速さで埋める状態です。
浅い呼吸が続くと、緊張側から抜けにくくなる
呼吸は、身体の状態と結びついています。一般に、吸う動作は緊張側、吐く動作は弛緩側に働くとされています。
浅く速い呼吸は、吸う回数が増え、吐き切る時間が短くなります。つまり、緊張側に寄った呼吸を、一日中繰り返していることになります。
会議が始まった時点では、まだ余裕があります。ところが40分、60分と座り続けるほど、肋骨はさらに落ちていきます。呼吸は浅くなり、緊張は抜けないまま蓄積します。
そこで起きるのが、冒頭の状態です。頭が回らないのではなく、頭に回す余力が、身体を支える側に取られている。これが、会議の後半で発言が減る構造です。
経営者に特有の条件
この状態は、デスクワークをする人なら誰にでも起こります。ただ、経営者の場合は条件が1つ重なります。
会議の後半こそ、判断が必要な場面だということです。
前半は報告と共有で進みます。意思決定が求められるのは、たいてい終盤です。いちばん出力が要る時間帯に、いちばん呼吸が浅くなっている。順番として、これが一番まずい形です。
夕方以降に同じことが起きる理由については、夕方に肩と目が重くなる本当の原因に詳しく書いています。
私が現場で最初に確認すること
姿勢の相談を受けたとき、私が最初に見るのは背中ではありません。股関節の可動域です。
デスクワークの方を見ていると、大半はお尻ともも裏が硬くなっています。ここが硬いと、座ったときに骨盤が後ろに倒れます。骨盤が倒れれば、その上に乗っている背骨は丸まるしかありません。背中が丸まれば、肋骨は閉じます。
つまり、肋骨の問題は、座り方の問題であり、股関節の問題でもあります。背中だけを見ていると、この連鎖が見えません。
もう1つ、疲れを訴える方が最初に口にする言葉にも傾向があります。出てくるのは「肩が重い」「目が疲れる」「考えすぎて頭が重い」です。「判断力が落ちた」と言う人はいません。
本人の自覚は、いつも末端から来ます。肩、目、頭。どれも身体の上のほうです。そして原因は、たいていもっと下にあります。

自分の状態を見分ける
道具は要りません。2つだけ試してください。
壁に後頭部がつくか
壁に背を向けて立ちます。かかと、お尻、肩甲骨を壁につけます。その姿勢のまま、あごを軽く引いて後頭部を壁につけてみてください。
自然につけば、上半身はひとまず問題ありません。あごを上げないとつかない、またはつけると苦しい場合は、胸の前側と首の前側が縮んでいる側です。
つかなかったとしても、異常ではありません。1日10時間座る人の身体としては、むしろ一般的です。
吸うときに、どこが動くか
椅子に浅く腰かけます。片手を胸に、もう片方の手を肋骨の下の横あたりに当てます。そのまま、鼻から息を吸ってください。
肋骨の下に当てた手が横に広がるなら、横隔膜が働いています。胸に当てた手が先に持ち上がるなら、首と肩で吸っている状態です。
後者の場合、肩が上がったまま下りてこない、首の付け根がいつも張っている、といった感覚が併発していることが多くあります。揉んでも戻る肩こりの正体が、ここにある場合があります。
順番を間違えないために
ここで多くの人が、胸を開くストレッチを探し始めます。方向としては間違っていません。ただ、順番には注意が要ります。
座ったときに骨盤が後ろに倒れたままで胸だけ開こうとすると、腰が反って終わります。肋骨は開かず、腰に負担が移るだけです。脚の付け根が縮んでいる場合の対処は、腰が重いのは腰のせいではないで扱っています。
そして、負荷を足す段階に進んでも変わらない人には共通点があります。ジムに通っても変わらない人の5つの共通点にまとめました。
原則は1つです。下から整える。股関節が動く。骨盤が立つ。そこで初めて肋骨が開きます。上から直そうとすると、たいてい腰か首に逃げます。

まとめ
- 猫背で問題なのは背中の丸みではなく、肋骨が閉じていること
- 肋骨が落ちると横隔膜が下がりきらず、1回の呼吸で入る量が減る
- 浅く速い呼吸が続くと、緊張側から抜けにくくなる
- 会議の後半は、いちばん判断が要る時間帯と、いちばん呼吸が浅い時間帯が重なる
- 見るのは背中ではなく、股関節の可動域と、吸ったときにどこが動くか
- 整える順番は下から。骨盤が立たないまま胸だけ開くと、腰が反って終わる
自覚が末端から来る以上、身体の問題は「気づいたときには進んでいる」構造になっています。なぜ重要なのに後回しになるのかは、経営者の健康が後回しになる理由に書きました。
肋骨の位置が分かっても、何から始めるかで止まる人は多くいます。情報を集めるほど動けなくなる構造を、レポートにまとめました。
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