経営者の集中力強化

朝起きられない経営者へ|重さは根性ではなく体温の問題

目は覚めている。それなのに、体が動き出すまでに30分かかる。

二度寝しているわけではありません。起きているのに、起き上がれない。

これを意志の問題として扱うと、永久に解決しません。原因は根性ではなく、体温の立ち上がり方にあります。

朝の重さは何で決まるか

朝起きられない経営者

体温は起床の2時間前から上がり始める

深部体温、つまり体の内側の温度は、1日の中で1度ほど上下します。

最も低くなるのは起床の2〜3時間前。そこから上昇に転じ、この立ち上がりに合わせて体は覚醒の準備をします。

コルチゾールの分泌も、起床前から増え始めます。これは血圧と血糖を上げ、活動できる状態を作るための準備です。

つまり目覚ましが鳴る前から、起きる作業はもう始まっています。朝が重いのは、この準備が間に合っていない状態です。

準備が間に合わない3つの条件

1. 就寝時刻が毎日ずれている
体内時計は前後1時間程度の変動なら追随します。それを超えると、準備を始めるタイミングを見失います。

2. 深部体温が下がりきっていない
下がらなければ、上がる幅も作れません。落差がないと立ち上がりが鈍くなる。

3. 深い眠りが不足している
回復が終わっていない状態で朝が来れば、体は続きを要求します。

1と2の詳細は睡眠は時間より深部体温で決まるにまとめました。

経営者に固有の事情

経営者の就寝リズムが崩れる条件

就寝時刻は選べない

会食、移動、締切。就寝時刻を一定に保てる働き方ではありません。

だから「毎日同じ時間に寝ましょう」という助言は、実行できません。守れない設計を渡されても、守れなかった自己嫌悪が増えるだけです。

ここで発想を変えます。固定するのは就寝時刻ではなく、起床時刻です。

なぜ起床側を固定するのか

体内時計をリセットする最大の手がかりは朝の光です。就寝時刻ではありません。

起床時刻を揃えれば、光を浴びるタイミングが揃う。すると夜の眠気が来る時刻も安定し、結果として就寝時刻が勝手に整います。

順序が逆なのです。寝る時間を決めても眠くならなければ意味がない。起きる時間を決めると、眠くなる時間が決まります。

今日から変えられる4つ

朝の立ち上がりを改善する方法

1. 起床時刻を固定する

休日も含めて、ずれは1時間以内に。平日6時なら休日は7時まで。それ以上寝ると、月曜が重くなります。

寝不足の日も起床時刻は動かさず、足りない分は昼の仮眠で補う。15〜20分、それ以上は逆効果です。

2. 起きて最初に光を浴びる

カーテンを開ける。ベランダに出る。これだけで体内時計は動きます。

曇りの日でも屋外の照度は室内より桁違いに高い。数分でいいので、窓越しではなく外の光に当たってください。

3. 起床直後に水を1杯

就寝中に失われた水分を最初に補います。コーヒーはその後。

脱水状態では血液が濃くなり、循環の立ち上がりが遅れます。「コーヒーの前に水」を固定ルールにするだけです。

4. 前夜の入浴タイミングを守る

就寝90分前に38〜40度で10〜15分。上げた分だけ、その後の下がり幅が大きくなります。

落差を作ることが、翌朝の立ち上がりを決めます。

やってはいけないこと

週末の寝だめ。平日との差が大きいほどリズムが崩れ、月曜が最も重くなります。取り返したい気持ちは分かりますが、コストの方が大きい。

目覚ましの複数セット。スヌーズを繰り返すと、浅い眠りと覚醒を往復することになります。起きる準備が中断され続ける状態です。

起きてすぐのスマートフォン。光は入りますが、同時に情報処理が始まります。体が立ち上がる前に、判断を要求することになる。

改善したかの判定

次の3つで見ます。夜ではなく朝で判断してください。

1. 布団から出るまでの時間
目覚めてから実際に動き出すまで。ここが短くなれば改善しています。

2. 起床時の気分
睡眠が変わった方から最初に返ってくるのは「朝、起きやすくなった」「起きたときの気分がいい」という言葉です。「よく眠れた」ではありません。

3. 午前中の集中の持続
午前から頭が回らないなら、まだ準備が間に合っていません。

運動している人ほど朝が楽になる

現場で見ていて、この変化は運動を始めた方に多く出ます。

適度な筋疲労があると、体は修復に向かいます。回復が進んでいる最中の体は、朝に気分の良さとして表に出る。

疲れていないから気分がいいのではありません。ちゃんと疲れて、ちゃんと直しているから気分がいい。

睡眠だけを整えても変化が小さい場合があります。日中に体を使っていなければ、直すものがないからです。

よくある質問

何時間寝れば朝が楽になりますか

時間より、体温の落差とリズムの安定です。7時間眠っても浅ければ立ち上がりません。

ただし6時間を切る日が続くと、質でカバーできる範囲を超えます。

朝型に変えるべきですか

無理に変える必要はありません。重要なのは早いことではなく、一定であることです。

どのくらいで変わりますか

起床時刻を固定してから、リズムが安定するまで2週間前後を見てください。3日で判定しないでください。

まとめ

  • 深部体温は起床の2〜3時間前が最低。そこから上がり、覚醒の準備が始まる
  • 朝が重いのは、この準備が間に合っていない状態
  • 就寝時刻は選べない。だから固定するのは起床時刻
  • 体内時計をリセットするのは朝の光。就寝時刻ではない
  • 週末の寝だめとスヌーズは、どちらもリズムを崩す
  • 判定は「布団を出るまでの時間」「起床時の気分」「午前の集中」

朝起きられないのは、意志が弱いからではありません。

起きる準備が、まだ終わっていないだけです。

次に読む

硬さと回復の土台になる「水分」の話と、2週間で戻す手順は、noteにまとめました。

筋肉が硬い本当の理由は、運動不足ではなく「水分」だった

-経営者の集中力強化