揉んでもらった直後は楽になる。翌日には戻っている。
これを何年も繰り返している人が多いと思います。私が現場で見てきた中でも、肩こりを主訴に来る経営者の大半がこの状態でした。
先に結論を書きます。硬くなっている場所と、硬くさせている場所は、別のことがあります。
この記事では、原因が肩にない3つの場合と、自分がどれに当てはまるかを見分ける基準を書きます。
まちょす肩こりは揉めば治るっす!揉み倒すっす!
ハムスケ昨日も揉んでませんでした?
エグゼ筋揉んで翌日に戻るなら、硬いのは原因ではなく結果です。揉んでも戻るのは、なぜか
硬い場所は、肩代わりしている側であることが多い
肩こりは、肩まわりの筋肉が持続的に収縮している状態です。ここは事実です。
ただ「硬くなっている」ことと「原因がそこにある」ことは別の話です。
身体は、どこかが働けないと、別の場所に肩代わりさせます。肩代わりさせられた側は働き続けるので、張ります。
だから揉めば、その場は緩みます。ただし肩代わりの構造が残っているので、翌日にはまた同じ場所が張る。
これが「揉んでも戻る」の正体です。揉み方の問題ではありません。
保った時間で、段階が分かる
私は「マッサージが効かない」と相談されたとき、まずこう聞きます。
「どのあたりで戻りますか」
その日のうちに戻るのか、2日もつのか、1週間もつのか。保った時間で、どの段階にいるかが分かります。
1週間もつなら、筋肉側の疲労が主です。この場合は、緩める処置が噛み合っています。
翌日に戻るなら、構造の側に原因があります。緩めること自体は間違っていませんが、それだけでは追いつきません。
原因が肩にない、3つの場合
1. 足首が硬い
身体は積み木のようにつながっています。
足首が曲がりにくいと、まっすぐ立ったときに重心を前に運べません。どこかで帳尻を合わせることになります。
下の関節は体重を支えているので、動かしにくい。結果として、上側で微調整することが多くなります。
肩まわりが一日中、姿勢の微調整をやらされる。それが夕方の重さになります。
確かめ方は簡単です。壁の前につま先を拳1個分空けて立ち、かかとを床につけたまま膝を壁に当てにいく。かかとが浮くなら、足首が硬い側です。
2. 引く動作が生活にない
一日を思い返してください。
キーボードを打つ。スマホを持つ。ハンドルを握る。鞄を提げる。ドアを押す。
すべて、腕が前にある動作です。引く動作は、現代の生活にほとんど存在しません。
押す側は毎日使われ、引く側は使われない。この差が積もると、肩は前に入ります。
ここで注意が要ります。背中側はすでに引き伸ばされて働いている状態です。その背中をさらにストレッチしても、方向が逆になります。
必要なのは、縮める練習のほうです。
3. 呼吸が浅い
息を吸うとき、本来は横隔膜が主に働きます。
ところが座った姿勢が続き、お腹まわりが使いにくくなると、首と肩の筋肉が呼吸を手伝い始めます。
呼吸は一日に2万回前後です。その一部を肩が負担していれば、休む時間がありません。
マッサージ後すぐ戻る人の中には、この型が混ざっています。緩めても、次の呼吸から仕事が再開されるからです。
疲労そのものの仕組みについては、疲れが抜けない経営者へ:末梢性疲労と中枢性疲労の違いに書いています。
ここで、答えが2つに分かれます
揉んで効く人と、揉んでも戻る人
ここまで読んで、矛盾を感じた人がいるはずです。
「揉んでも戻る」と書きながら「緩める処置が噛み合う人もいる」と書いているからです。
どちらも正しく、対象が違います。
原則は、翌日に戻るなら構造側、1週間もつなら筋肉側です。
ただし、これがひっくり返る条件がひとつあります。直近で明らかな負荷があった場合です。
引っ越し、長距離運転、久しぶりのゴルフ。こうした単発の負荷の後なら、構造が原因でなくても翌日に戻ることがあります。
自分がどちらか見分ける基準
単発の心当たりがないのに、翌日に戻る。
この条件を満たしているなら、構造側です。
さらに絞るなら、順番に試してください。足首のテストで左右差が出るか。手の甲が正面を向いていないか。息を吸うとき肩が上がらないか。
どれかに当てはまったら、そこが先です。
今日からできること
私が最初に確認する場所
デスクワーク中心の方を見るとき、私が最初に確認するのは股関節の可動域です。
肩ではありません。大半の方が、お尻ともも裏が硬くなっています。
座っている時間の長さが、そのまま出る場所だからです。ここが硬いと骨盤が引っ張られ、その歪みを戻すために背中と肩が働き続けます。
優先順位
やる順番を書きます。
第一に、引く動作を一日に一つ足す。机の縁を両手で持ち、胸を机に近づけるように軽く引く。座ったままで10回です。
第二に、硬かった側の足首を一日10回動かす。歯を磨きながらで足ります。
第三に、座る時間を切る。45分に1回立つ。それだけで、固まる時間が分断されます。
どれも1分かかりません。揉む回数を増やすより、肩代わりの構造を1つ減らすほうが先です。
負荷を上げるのはこの後です。順番を飛ばすと続かない理由は、ジムに通っても変わらない5つのパターンに書いています。
2週間で、何がどの順に変わるか
最初に変わるのは、硬さではなく「戻るまでの時間」
ここで期待値を合わせておきます。
肩の硬さそのものは、すぐには変わりません。何年もかけて作られた配置が、数日で入れ替わることはないからです。
最初に変わるのは、戻るまでの時間です。
これまで翌日に戻っていた人が、2日もつようになる。次に3日もつようになる。この伸び方で進んでいるかどうかが分かります。
硬さを基準にすると、変化が見えずにやめます。保った時間を基準にすると、進んでいることが自分で確認できます。
私のところに来た方で睡眠が変わり始めたときも、第一報は数値ではありませんでした。「朝起きやすい」「起きて気分がいい」です。身体の変化は、たいてい感覚のほうが先に出ます。
変わらない場合に見るところ
2週間やっても保つ時間が伸びない場合、見るところは2つです。
ひとつは、頻度です。まとめて週1回やるより、1日2回を毎日のほうが効きます。固まる時間を分断するのが目的だからです。
もうひとつは、睡眠時間です。5時間を切る日が常態化しているなら、何をやっても戻りません。この場合は寝る時間の確保が先になります。
この2つを満たしていて、それでも変わらない。そこまで来たら、自己判断の範囲を超えています。
このときに初めて、人に見てもらう価値が出ます。順番を飛ばして最初から人に頼ると、本来自分で戻せたものまで外注することになります。
まとめ
- 硬い場所と、硬くさせている場所は別のことがある
- 揉んだ効果が何日もったかで、どの段階かが分かる
- 翌日に戻るなら構造側、1週間もつなら筋肉側
- 原因が肩にない代表は、足首・引く動作の欠如・浅い呼吸の3つ
- デスクワークの人で最初に確認すべきは股関節。肩ではない
- 引く動作を1つ足す、足首を動かす、45分で立つ。この3つが先
この手の不調を後回しにし続けると何が起きるかは、経営者が健康を後回しにする構造に書いています。
原因が肩にないと分かっても、次に何から手をつけるかは別の問題です。情報を集めるほど動けなくなる構造を、レポートにまとめました。
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