金曜は会食で、帰宅は23時半。
土曜は目覚ましをかけずに、9時過ぎまで寝る。日曜も同じ。
月曜は6時のアラームで起きる。週末にあれだけ寝たのに、体がいちばん重いのは月曜の朝です。
「寝ても取れない」と感じたとき、対策はたいてい睡眠の長さに向かいます。早く寝る。休日に多めに寝る。
ただ、月曜の朝の重さは長さだけでは説明できません。
この記事では、睡眠の時刻がずれる仕組みと、平日と休日の差を数字で測る方法、どこから手をつけるかを整理します。
最初に線を引きます。以下がある場合は、生活の工夫より先に医療機関です。
- いびきが強い、日中に強い眠気がある(睡眠時無呼吸の可能性)
- 気分の落ち込みが2週間以上続いている
- 休日に長く寝ても、平日の朝の重さがまったく変わらない状態が1ヶ月以上続く
まちょす平日は5時間やけど、土日に10時間寝て取り返してるっす!
ハムスケで、月曜の朝は軽いんです?
エグゼ筋寝だめで長さは戻ります。ずれた時刻が、月曜の朝に残ります。月曜の朝が重いのは、週末に「時差」を作っているから
見落とされている原因:起きる時刻のずれ
体内時計は、約24時間の周期で動いています。
そして毎朝、目に入る光で時刻を合わせ直しています。
土日に3時間遅く起きると、朝の光が入る時刻も3時間遅れます。体内時計は後ろへずれる。
その状態で月曜の6時に起きると、体にとってはまだ夜明け前に近い時刻です。
平日と休日の睡眠時刻のずれは、研究の分野で「社会的時差ぼけ」と呼ばれています。
(出典:Wittmann ほか, Chronobiology International, 2006)
週末ごとに西へ数時間飛び、月曜の朝に戻ってくる。それを毎週、移動せずに繰り返している状態です。
「休日に多めに寝る」がズレる理由
寝だめで、平日の不足分はある程度取り戻せます。そこは否定しません。
問題は取り戻し方です。起きる時刻を遅らせて取ると、時刻のずれという別のコストが出ます。
資金繰りに置き換えると分かりやすい。
週末にまとめて入金すれば、残高は戻ります。ただ、月曜が支払い日なら間に合っていません。
しかも入金のたびに手数料が引かれている。週末の遅起きは、この手数料にあたります。
体内時計を動かしているのは「光」
メカニズム:夜の光が、眠りの合図を遅らせる
脳の奥に、視交叉上核(しこうさじょうかく)という部位があります。体内時計の中枢です。
ここは目から入る光の情報で、時刻を合わせています。
夜になると、眠気を促すメラトニンというホルモンが増えます。この分泌は、光で抑えられます。
通常の室内照明でも、寝る前に浴びるとメラトニンの分泌開始が遅れたという報告があります。
(出典:Gooley ほか, Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2011)
寝る前に発光する端末で読書した人は、紙の本の人より寝つきが遅れ、翌朝の目覚めも鈍かった。
(出典:Chang ほか, PNAS, 2015)
つまり朝の光は時計を前に進め、夜の光は後ろに引っ張ります。この綱引きで、起きやすさが決まります。
体温の側から見た朝の重さは、朝起きられない経営者へ|重さは根性ではなく体温の問題で扱いました。
経営者に特有の条件
あなたの1週間を、光の入り方で並べてみてください。
- 会食の帰りの車内で、スマホでメールを返す
- 寝室で、翌日の資料を画面で確認する
- 平日は早朝会議に合わせて6時起き
- 週末はその反動で、昼前まで寝る
平日は朝が早く、夜の光が遅くまで続く。週末は起床が大きく後ろに振れる。
光の入り方が、週の中でいちばん不安定になりやすい働き方です。
早朝会議の日の組み立ては、早朝会議の日に出力が落ちる理由|起床から2時間の設計にまとめています。
平日と休日の差を、数字で測る
判断基準:睡眠の「真ん中の時刻」の差
測るのは、寝た時刻と起きた時刻のちょうど真ん中です。スマホのアラーム履歴や睡眠記録で足ります。
例を出します。
- 平日:0時に寝て6時に起きる → 真ん中は3時
- 休日:1時に寝て10時に起きる → 真ん中は5時半
この場合、差は2時間半です。直近2週間の平日と休日で、それぞれ出してください。
私は、次の目安で見ています。
- 1時間以内:時刻のずれは小さい。長さか、眠りの中身を見る
- 2時間前後:月曜の重さの主因になっている可能性が高い
- 3時間以上:毎週、海外出張と同じ規模の時差を作っている
私が現場で見ているもの
パーソナルトレーナーとして13年、現場で1万時間以上、体を見てきました。
睡眠が整ってきた人から最初に返ってくる言葉は、決まっています。「朝起きやすい」「起きて気分がいい」です。
「よく眠れた」より先に、朝の立ち上がりが変わる。
だから私は、睡眠を寝ている時間ではなく、翌朝の状態で判定しています。月曜の朝が重いなら、それが今の睡眠の成績表です。
ここで原則が割れます
原則は1つです。休日も、起きる時刻は平日から1時間以内に収める。
ただし、これがひっくり返る条件があります。平日の睡眠そのものが足りていない場合です。
このとき休日の睡眠を削ると、不足が積み上がります。延ばすのは「起きる側」ではなく「寝る側」です。
前夜に早く床に入る。それでも足りなければ、午後の早い時間に20分までの仮眠で補う。
見分け方はこうです。
休日に目覚ましをかけずに寝て、平日の起床時刻から1時間以内に自然に目が覚めるか。
覚めるなら時刻の問題。2時間以上寝続けてしまうなら、先に平日の不足を疑ってください。
今日からできること:一度で済む対策から入れる
一度やれば続く対策
- 寝室の天井灯をやめ、暖色の間接照明にする
- スマホの充電場所を寝室の外に決める
- 端末の夜間モードを、就寝2時間前から自動で入る設定にする
- カーテンを数センチ開けて寝る(朝の光が自然に入る)
どれも一度設定すれば、忙しい週でも勝手に働き続けます。
毎日やる対策
- 休日も、起きる時刻は平日から1時間以内
- 起きて30分以内に、窓際かベランダで外の光を浴びる
- 寝る1時間前に、画面を閉じる
忙しい週に落ちるのは、毎日やるほうです。だから先に、一度で済むほうを入れてください。
早く目が覚めすぎる側のずれは、目覚ましより先に目が覚める|早朝覚醒が続くときに見るもので整理しています。
朝は動けても午後に落ちるなら、神経側の疲労かもしれません。疲れが取れない経営者へ|筋肉の疲労と神経の疲労は別物であるで切り分けられます。
よくある質問
休日に1時間しか寝坊できないなら、睡眠が足りなくなりませんか
足りない分は、前夜に早く寝る側で取ります。起床をずらさず、就寝を前に出す。それでも足りないなら、午後早めの20分以内の仮眠で補ってください。
起床時刻を揃えても、朝の重さが変わりません
2〜3週間続けて変化がないなら、時刻以外に原因がある可能性があります。
強いいびきや日中の強い眠気があれば、睡眠の専門外来に相談してください。生活の工夫で粘る段階ではありません。
まとめ
- 月曜の朝の重さは、睡眠の長さより「時刻のずれ」で起きていることがある
- 体内時計は朝の光で前に進み、夜の光で後ろに引っ張られる
- 平日と休日の「睡眠の真ん中の時刻」の差を測る。2時間を超えたら時刻を直す
- 平日が足りていない人は、休日に起床ではなく就寝を前に出して補う
- 照明・充電場所・夜間モードの設定から入れる。毎日やる対策はその後
週末の寝だめは、月曜の朝に返済を求められる借入です。
この記事の対策は、意志ではなく「設定」で入れるものから並べました。続かない原因を本人の意志に置かない。その考え方を、3つの原則として無料レポートに書いています。
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